「一粒の種から」
98年04月発行   第84号 (有)大阪製作所社内誌


 

  拝啓、設計担当者殿!!(モノ作り屋からのコスト削減のヒント)
 
1 コスト削減のヒント

 拝啓、設計担当者殿。
今回は、特に「発注数量の観点」からコスト削減のヒントを、述べてみます。
もっとも手っ取り早くコストを下げる方法は、作ろうとする製品がどういった生産体系で作っていけば良いのかを、一度シュミレーションしてみる事です。
もちろん、生産体系は各市場による販売計画(数量)と関連しています。

コストを下げる発注のポイントは、生産計画(市場のニーズ)に応じて発注数量を明確にしてゆく事です
加工屋さんにどれくらいの時期に生産体系が変わってゆくのかを明確にする事だけでコストを大幅に下げる事ができます。

なぜなら、モノ作り屋は、それに応じた生産体系をとりながら加工を進めようとするからです。
まちがった生産量の情報を流すといつまでもコストは下がりません。

世の中の、モノ作りは、大まかに分けて3通りに分かれています。
試作や単品物を得意とするモノ作りと、中量生産(100個〜500個)を得意とするモノ作り、そして大量生産(1000個〜何万個)を得意とするモノ作りに分かれています。

「単品〜10個程度の生産」は、機械一台に一人の人間がついて加工をして行きますので、製品に掛かるコストは当然高くなります。大体一時間当たり6000円〜5000円(NC機械の場合)ぐらいでないと人件費と機械の償却費を生み出せません。汎用の機械で加工ができる精度であれば一時間当たり4000円〜3500円程度でしょうか。作業する技術者や職人の、技術力や性格が、製品品質を左右しますが、一般に 精度や品質は中量、大量生産に比べて安定しにくくなります。特急の納期や短納期には対応しやすい生産形態です。

「中量生産」は、汎用のNC機械を使っての中量ロット生産をします。
2台〜3台の機械を一人の人間が操作しながら加工を進めますので、一時間当たりの加工賃は4000円〜3000円ぐらいになります。コストに占める割合で大きいのは段取り時間ですから、これを小さくする努力を中量生産ではしなくてはなりません。例えば治具の工夫や、在庫を少しもって製品一個当たりの段取り時間比率を下げたりして生産をしています。また、アルバイトやパートの人を使って人件費の削減努力もしています。NC機械による生産のため製品品質は安定しています。
納期は10日〜20日といったところが普通です。

「大量生産」では、専用のNC機械や専用機を使って大量ロット生産をして行きます。
5台〜10台、場合によっては10台以上を一人の技術者が操作しています。そのためコストは一時間当たり2500円〜1500円程度(物によってはそれ以下)にできます。品質管理技術が特に重要となって来ます、大量に同じ製品を、安定して生産することを最大目標とします。品質はシステムの中で管理されていますので、システムや管理方法十分に検討してから生産をはじるため、属に言う「小回り」はききません。
「1個流し生産」で仕掛品や在庫を無くす事が重要。
 
 
 

各数量におけるコストダウンのポイントを、図にまとめてみました。
 

生産体系 説明 加工担当 コストダウンのポイント
単品生産品 リピートが無く形状が違う製品 試作屋 コストダウンは難しいですが、腕の良い職人がいる加工屋に発注や、設計段階で形状を共通化できないかを検討する事などがポイント
月産単品〜20個  ロットは小さいが繰り返して生産する製品 中量生産屋   生産計画をしっかり立てて少しでも数をまとめて発注し、分納してもらう。保証ロット在庫は加工屋さんに持ってもらう。例えば月一回ずつの分納をお願いすると同時に、保証ロット(例3ロット〜5ロット)での在庫は必ず受け取る事を明言し、見積もりは保証ロットでの価格を出してもらう。短期間の注文でも加工屋から在庫を出してもらう事で対応する。
中量生産品    
月産20個〜    
    数1000個 
中量生産でリピートの有る製品 中量生産屋 ここでも、発注計画が重要。計画を出す事ができれば、保証ロット(上記)での見積もりをとる。注意点は、中量生産加工屋の中でも100個ぐらいが得意な会社と、1000個ぐらいが得意な会社とがあります。それを見極める事数量の幅が非常に大きいので設計担当者の頭の見せ所でも在ります、切削加工をプレスやダイキャストに置き換えられないかなど加工方法の検討が常に必要でしょう。
大量生産品    
月産1万個〜 
月産1万個を超える大量生産 大量生産屋 小企業、零細企業の機械加工屋では10万個/月をこなす事はできません。(設備をするにはリスクが大きすぎて、やはりできません)専用機や専用ラインを作れる中〜大企業の加工屋の仕事です。生産形態は「1個流し」による「かんばん生産」などでしょう。大量生産の量産効果は一般に月産1万個以上無いと出ない、と言われています。逆に言えば1万個以上あれば大きくコストダウンできると言うわけです。
 
 
加工屋は、それぞれノウハウを持って営業をしています、顔が違うように得意な加工分野も違っています
設計や資材の方が、すべての外注管理をするのであれば製品によって、得意な分野の外注先を探していく情報力が必要です。
外注先に管理をやってもらうなら、製品の生産形態(数量)情報を正確に伝える事で最適な加工方法や再外注先を探してもらう事ができます。
つまり、コストダウンにとって最も重要なのは「情報」なのです。
 
 

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